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野田の9尺藤(大藤) 栃木県指定天然記念物
ふじのはな物語 藤と言えば日本古来の花木と言われ、万葉集にも歌われています。 その日本を代表する原種・野田藤、色ごとに、うすべに藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤と順に花を先送ります。最後は日本では栽培が難しいと言われているきばな藤(マメ科キングサリ属)と1ヶ月以上も藤の花がお楽しみになれます。
500畳敷の大藤棚3面と世界でも珍しい八重の大藤棚、庭木仕立ての藤、80mにも渡って続く藤の花のトンネル(白藤、きばな藤)、そしてスクリーン仕立て、池に映る水鏡効果の夜の藤達と、この世のものとは思えない程の息をのむ美しさです。
「ふじのはな物語」で紹介されているように、足利フラワーパークには4本の大藤棚があります。 平成8年2月、大藤棚の4本が足利市朝倉町から20kmの移送の上、現迫間町に植栽されました。 藤は移植が比較的容易な樹種といわれていますが、それでも根元の径が60cm程度までというのがこれまでの常識のようです。
野田の9尺藤の周囲は大混雑です
2本目の野田の9尺藤(大藤)
しかし、日本女性樹木医第1号で足利フラワーパークの園長である塚本こなみさんによって、根元の径90cm前後の藤の移植に見事に成功しました。 そして10年の歳月が流れ、10年前72平方メートルだった藤棚も、10倍以上の900平方メートルにも拡がり、今日では素晴らしい景観を呈しています。
足利フラワーパークの最大の見物である野田の9尺藤(大藤)は、樹齢400年の長藤です。 幹回りは4.05mあり、4月下旬から5月上旬には、最長180cmもの花房を、畳600畳(南北36.3m、東西33.4m)の棚いっぱいにつけてくれるのです。 2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されました。
2本目の野田の9尺藤(大藤) 人の向こう側が天然記念物の大藤
左右の2本の藤がつながっています
この大藤棚の隣りに、もう1本の野田の9尺藤があります。 2本の藤は年々成長を続けており、今年は2つの大藤棚がつながっていました。 2本合わせて1000畳以上に広がった大藤の佇まいです。
大長藤
2本目の大藤棚からは、周りを一周することができ、2つの大藤棚をあわせてみることが角度もあります。 1000畳以上の大藤棚を下から眺める景観は、まさに壮観といえます。 「世界が息を呑んだ美しさ」と表現されるのも頷けます! 2本目の大藤棚が天然記念物に指定されているか否かは確認できていません。
3本目の大藤棚である、大長藤は西ゲートの近くにあります。 花房が170cmにもなる大長藤です。 この藤も500畳に広がっています。
この大長藤は藤の根元を保護するための立ち入り禁止区域が狭いため、花房の下に入って藤を眺めることができます。 多くの人が花房の下に入って、記念写真を撮っていました。
大長藤も大混雑
新しい散策路から
また、今年は大長藤の隣にある古代蓮池の中に新たに散策路が設定されており、これまでとは異なった角度から大長藤を眺めることができました。 大長藤が天然記念物に指定されているか否かは確認できていません。
八重黒龍(栃木県指定天然記念物)
大藤棚の最後の1本が大変に珍しい八重咲きの藤、八重黒龍藤の藤棚です。 八重黒龍藤は、野田藤系の黒龍藤の突然変異といわれている八重藤です。 この八重黒龍藤も早川農園から移植されたものです。
ブドウかな?
樹齢140年で、幹回りは2.5mあり、4月下旬から5月上旬に開花します。 花房は30cmで、500畳(南北34.5m、東西25.4m)もの広さの棚に花を咲かせます。 八重の藤棚としては日本一だそうで、2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されています。
濃い紫色の、長さ25cmほどの八重の総状花序で、香りが強く、花をポプリとしても使用するそうです。 少し遠くから見るとブドウの房の様にも見えます。
500畳の八重黒龍
八重黒龍の藤棚の下にいると、「何という名前の藤だろう」「ぶどうのようだね」「はじめてみました」といった声が連続して聞こえてきます。
むらさき藤のスクリーン
むらさき藤のスクリーン 「白藤のトンネル」を抜けた右手に「むらさき藤のスクリーン」があります。 今年は藤の開花が早く、むらさき藤は見頃を過ぎつつありました。
やや見頃過ぎ
すでに紫色の薄れている藤も見かけましたし、藤の咲いていない部分もありました。 全体的にはむらさき藤の素晴らしいスクリーンの様相を呈していましたが、残念ながら一部が緑色でした。