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神苑ぼたん庭園
今年一番の寒波来襲中でしたが、20日(日)以降は天気が崩れ、しかも雪が降るとの予報です。 冬ぼたんは雪の中に咲いているのが一番似合っているかもしれませんが、雪に弱い首都圏の交通機関です。 寒かったですが、日射しも十分にあり、早速に出かけることにしました。
島大臣
百花殿
鶴岡八幡宮は、康平6年(1063年)に、源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際してご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりです。
治承4年(1180年)に、源頼朝は伊豆で平家追討の旗揚げをし、鎌倉に入ると直ちに神意を伺い、由比ヶ浜辺の八幡宮を現在の地に遷しました。 建久2年(1191年)には上下両宮の現在の姿を整えて、鎌倉の町づくりの中心としました。
八千代椿
島錦
その後、鎌倉は京都と並んでわが国政治・文化の中心となり、鶴岡八幡宮は関東の総鎮守として全国からの崇敬を集め、各地の村々に氏神様として八幡宮が奉斉されるようになりました。 現在では国際的史都鎌倉の中心的施設として国の内外より年間を通して数多の参拝者が訪れています。
八千代
新国色
現在の本殿は、文政11年(1828年)、江戸幕府11代将軍徳川家斉の造営による代表的な江戸建築で、若宮とともに国の重要文化財に指定されています。 境内には源頼朝、実朝をお祀りする白畑神社をはじめとする境内社のほか、静御前ゆかりの舞殿や公暁の隠れ銀杏といわれる樹齢千余年の大銀杏が、800年の長い歴史を伝えています。
冬ぼたんと源平池
鶴岡八幡宮の神苑ぼたん庭園は、境内の東南部にかけて築かれた廻遊式の日本庭園です。 昭和55年、鶴岡八幡宮の創建800年を記念して開園したものです。 神苑ぼたん庭園には100品種、1000株の牡丹が植えられており、春と冬に牡丹を楽しむことができます。
島藤
紫光殿
連鶴
綾衣
また、庭園の一番北側部分に、「湖石の庭」があります。 これは、古来より奇石として珍重されてきた中国蘇州産の太湖石を据えて、古典庭園の庭園師によって築かれたものだそうです。
湖石の庭
寒ぼたんと冬ぼたん 鶴岡八幡宮の神苑ぼたん庭園や上野東照宮ぼたん苑にこの時期に咲くぼたんを、風来坊は冬ぼたんとして紹介しております。 しかし、この時期に咲くぼたんは、厳密には寒ぼたんと冬ぼたんに区分されるようです。
聖代
ハイヌーン
寒ぼたんは、春と晩秋から冬にかけて咲く、二季咲きの品種のぼたんです。 春はできた蕾を切り取り、秋にできる蕾を残して12月から1月に咲かせるとのことです。 冬ぼたんは、本来、春に開花する花を、1年以上真冬より寒い場所で、徹底した温度管理によってこの時期を春だと思いこませ、開花させたもので、春の牡丹と同じ種類です。
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冬ぼたんは、葉の上に座ったように花を開花させますが、寒牡丹は、葉をつけず花のみを開花させるのが特徴です。 寒牡丹は、江戸時代に牡丹園芸家が寒の時期にも富貴花を咲かせようと品種改良をおこなった牡丹で、これらの種類が寒牡丹の始めといわれています。 大変貴重な牡丹で、まだ一般家庭には普及していないようです。
この寒ぼたんは、樹勢が弱くて栽培が難しいこと、安定して花を咲かせるまでには長い年月を要することなどから、鶴岡八幡宮や上野東照宮で見ることのできるこの時期のぼたんは冬ぼたんが主流のようです。 ぼたんで有名な奈良県の石光寺には、寒ぼたんが36種類300株あるとのことです。
花の殆ど咲かないこの時期に、可憐に咲いて人の心を和ませてくれる冬ぼたんにも、観賞したいと思う人達の期待に応えるため、その裏ではさまざまな努力や気遣いがあるようです。 いずれにしても、この時期にぼたんの花を咲かせるためのさまざまな努力に、敬意を表せざるを得ません。
新島輝
アクセス JR鎌倉駅から徒歩10分 入園料 500円
関連するホームページ 鶴岡八幡宮 鶴岡八幡宮の冬ぼたん その2へ 風来坊