散策スポット目次
展勝地桜並木 右は北上川
桜並木
悠然と流れる北上川の河畔にある北上展勝地は、東北有数の桜の名所として知られ、「日本の桜の名所100選」「みちのく三大桜名所」に数えられています。 展勝地公園の敷地293ヘクタールには、約150種類、約1万本のサクラ、10万本のツツジがあると言われています。
北上展勝地は、大正9年(1920年)に、元黒沢尻町長の沢藤幸治氏が設立した民間団体「和賀展勝会」が桜の植裁事業を行ったことに始まり、翌年の大正10年に開園しました。 北上川の洪水などの被害に見舞われたりしましたが、90年近くの間、地域住民の熱意に支えられ、今のような桜の名所になりました。
「展勝地」という名称の由来は、沢藤氏の親友風見章氏(後の司法相)が事業団体の名称を「展勝会」と命名したことと、陣ケ丘からの眺めが素晴らしいところから、展望のきいた名勝・景勝の地という意味で名付けられたそうです。
ことしも、「北上展勝地さくらまつり」が4月18日〜5月5日の間、開催されました。 桜祭りの期間中は、夜桜ライトアップ、北上川遊覧船運航、北上川渡し舟運航、観光馬車運行、北上川に鯉のぼりを泳がせる、SL・ラッセル車・緩急車一般公開などのイベントが開催されるほか、日毎に異なるさまざまなイベントも企画されています。
遙か彼方まで続く桜のトンネル
南側部分は散策路が狭くなります
展勝地の桜のメインは、珊瑚橋から2kmに渡る桜並木です。 樹齢80年以上のソメイヨシノが桜のトンネルを形成しており、その下に散策路が設けられています。 散策路の幅は結構広く、桜を仰ぎながらゆっくりと散策を楽しむことができます。
一般にソメイヨシノの寿命は60年といわれていますので、樹齢80年を越すソメイヨシノの並木は珍しいです。 ソメイヨシノの大木が2kmに渡って連なっており、圧倒的な存在感があります。
観光馬車「よしきり号」
満開のソメイヨシノ
一山園
川面にはこいのぼり 遠くは雪山
桜並木の途中に「一山園」があります。 展勝地の開園に向けて、当時の首相・原敬から格別の援助がありました。 その報恩のために昭和37年に句碑が設立され、その周辺を原敬の俳号を取って「一山園」と名付けました。 桜並木の中で、ここだけに枝垂桜が植えられているそうですが、残念ながら写真はありません。
「うなぎのぼり」を期して
桜並木の南端
このみちのく民俗村では、ヤエベニシダレやカンザンなど12種類のサクラが次々と花を咲かせるそうです。 古民家を背景にピンクの桜を楽しむことができるようですが、この時期はまだ咲いていませんでした。
何処までも続く桜並木
陣ヶ丘 みちのく民俗村に隣接している陣ヶ丘には山桜が多く植えられ、桜並木のソメイヨシノよりは遅く見頃を迎えます。 また、陣ヶ丘からの展望は素晴らしく、展望の利いた景勝の地であることから展勝地と名付けられたとも言われております。 桜並木を見渡すことができるのですが、残念ながら今回は訪ねませんでした。
桜並木とスイセン
桜並木の外側にも散策路が
展勝地レストハウス 舟運時代の米倉をイメージした白い外観が印象的なレストハウスです。 地元の食材を使った郷土の味を味わえるそうです。 また、北上周辺の工芸品、食品を中心にお土産の品揃えも豊富です。
ひらた舟 江戸時代、現在の北上市には北上川最大の河港があり、上流と下流の中継地として、江戸に送る米などの積み替えが行われていました。 その主役として行き交ったひらた舟が復元されて、展勝地レストハウス入り江に係留されています。
「ひらた舟」と遊覧船乗り場
入り江から北上川へ
展勝地レストラン
船乗り場からの桜
北上夜曲の碑 甘くせつない青春の愛唱歌「北上夜曲」は昭和16年2月に生まれ、昭和30年代には、全国の歌声喫茶で大いに歌われました。 北上川の河辺に昭和49年に建立された歌碑は、作詞、作曲者の直筆によるものです。 匂いやさしい白百合の 濡れているよなあの瞳 想いだすのは 想いだすのは 北上河原の月の夜
宵の灯りともす頃ころ 心ほのかな初恋を 想いだすのは 想いだすのは 北上河原のせせらぎよ 銀河の流れ仰ぎつつ 星を数えたきみとぼく 想いだすのは 想いだすのは 北上河原の星の夜 (以下略)
北上夜曲の碑
珊瑚橋からの展望
遊覧船からの展望
北上川遊覧船 北上川遊覧船の乗船場は桜並木の南端にある展勝地レストハウス入り江です。 展勝地レストハウス入り江から桜並木の一番北側の珊瑚橋の少し上流までの往復です。 料金は大人1000円、子供500円で、所要時間は約20分です。
北上川渡し舟 北上川の展勝地の道路は大渋滞するということで、北上駅東口近くの船着場と展勝地桜並木近くの船着場の間で、渡し舟が運行されています。 約5分で対岸に渡ることができますし、途中で舟からの桜を少し眺めることもできます。 料金は片道大人300円、子供150円です。
東京から北へおよそ500km。水と緑の美しい自然に囲まれながら、工業都市としての発展が著しい岩手県北上市。 国道4号線と107号線が市内中心部で交わり、それに沿うように東北自動車道、秋田自動車道といった高速道路が走ります。 東北新幹線を利用すれば、東京から3時間で北上市に到着です。
水量豊かな北上川
アクセス JR北上駅から珊瑚橋を渡り展勝地まで徒歩で約30分 JR北上駅東口から渡し舟船着き場まで徒歩5分 渡し舟はピストン輸送されており、対岸まで約5分。料金は片道大人300円、子供150円。
珊瑚橋は大渋滞
関連するホームページ 北上観光協会 風来坊