散策スポット・北海道東北

散策スポット目次

HOME

前ページ

次ページ

京都の桜 その3 平安神宮 (H18.4.9)


満開の紅枝垂桜(南神苑)



平安神宮・大極殿と左近の桜


平安神宮は平安遷都1100年を記念して、明治28年(1895年)に遷都のおや神様である第50代桓武天皇を御祭神として創建されました。

明治時代の代表的な日本庭園として広く内外に知られている平安神宮神苑は、ご社殿を取り囲むように東・中・西・南の四つの庭からなっています。

池泉回遊式庭園で、作庭は東山界隈に円山公園、無隣庵を始め幾多の名園を残した7代目小川
治兵衛です。



平安神宮神苑の面積は、33,000
平方メートル(約10,000坪)で、極めて大きな庭園です。

春の紅枝垂桜、初夏の杜若・花菖蒲、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々に風光明媚な趣を見せるとともに、神々しい風景を織りなす神苑は、人の手で造り出されてから100年という星屑を経た今日、漲る自然の営みに触れることができ、訪れる人の心を平安へと誘ってくれるといわれております。


南神苑に入ったところの紅枝垂桜



満開の紅枝垂桜(南神苑)


ことに春の紅枝垂桜は別名平安桜ともいわれており、濃紅色の花弁が15〜20枚、直径2cmほどの小さな八重の花が咲きます。

薄藍色の春の空に見事に映える緋色は、艶やかすぎる美しさで咲き匂い、さらに八重の絢爛を加えた優美な様子で咲き垂れます。

八重紅枝垂れ桜は、平安神宮が創建された明治28年、仙台市長遠藤庸治により寄贈されたものです。



満開の紅枝垂桜(南神苑)



そのもとは、近衛家に伝来した「糸桜」を津軽藩主が持ち帰り育て、それが再び京都に帰ったことから「里帰り桜」ともいわれています。

その雅やかな美しさは文豪谷崎潤一郎の名作「細雪」にも謳われているほど有名で、京洛随一ともいわれております。


満開の紅枝垂桜(南神苑)



満開の紅枝垂桜(南神苑)


日曜日の午後ということで神苑入口には行列ができていました。

神苑入り口の門をくぐると南神苑です。最初に目に飛び込んでくるのが、一面に空を覆っている「八重紅枝垂桜」です。

次々と南神苑に入る人から、「綺麗ねえ!」という声が沸き上がっていました。

南神苑は、明治28年の平安神宮創建以来、八重紅枝垂桜の名所として親しまれています。



南神苑には、昭和44年孝明天皇百年祭の記念事業として、平安時代の特色である「野筋」(のすじ・・・・入り組んだ細い道筋)と「遣水」(やりみず・・・・幾重にも流れ込んでいる小川)が設けられました。

また、昭和56年には、平安時代に著された書物(伊勢物語、源氏物語、古今和歌集、竹取物語、枕草子)に登場する草木、約180種類を植栽して、王朝文化をしのばせる庭「平安の苑」としています。


満開の紅枝垂桜(南神苑)



南神苑の翔鸞池の紅枝垂桜



満開の紅枝垂桜(南神苑)


南神苑の「野筋」と「遣水」のある翔鸞池(ショウランイケ)の周りは、景色の綺麗なこと、散策路の狭いところがあることなどから大混雑でした。

南神苑で紅枝垂桜を堪能したあと、道順に沿って進むと西神苑です。



西神苑は、平安神宮創建時に作庭されたものです。

白虎池を中心とした庭は、池の西側に出島、北側には神苑唯一の滝があり、また、西南の築山には茶席「澄心亭」が設けられています。

初夏を彩る池畔の花菖蒲は有名で、
伊勢系・肥後系・江戸系を中心に日本古来の品種ばかり200種、2000株が咲き競います。


西神苑の桜と白虎池



西神苑の桜と白虎池


西神苑から小川沿いに鬱蒼とした林間を抜けると、一瞬に視界が開け、池を中心とした光景が広がります。

この中神苑は西神苑と同じく、平安神宮創建時に作庭されたもので、庭の中央に蒼龍池があります。

池の東側の大島(珊瑚島)から北岸にかけて、天正年間の三条・五条大橋の古石柱や梁を用いた沢飛び「臥龍橋(ガリュウキョウ)」があります。



この橋を渡る人には、「龍の背にのって池に映る空の雲間を舞うかのような気分を味わっていただく」という小川治兵衛の作庭の意図が織り込まれています。

また、光格天皇御遺愛の「折鶴」という珍種をも含め、池を囲んで約1000株の杜若が群生し、水面には睡蓮や河骨が咲き、初夏には風趣に富んだ景色となるそうです。


中神苑の桜



泰平閣から栖鳳池を望む



泰平閣


東神苑は大正15年の完成ですが、他の神苑の3倍程度の大きな神苑で、その中央に広大な栖鳳池(セイホウイケ)があります。

中神苑から東神苑に入ると、栖鳳池の辺に建つ尚美館や釣殿の泰平閣越しに東山連山の一つ華頂山を借景とした雄大な眺めが広がります。

中国の伝説の仙郷「蓬莱山」をあらわした「鶴島」と「亀島」は松を頂いて池に浮かんでいます。



泰平閣は通路に休憩できる場所が設定されており、そこからは広大な池に周囲の風景がとけ込み、立体的で奥行きのある景色を眺めることができます。

特に対岸の紅枝垂が池に調和した光景は言葉を失うほどの絶景です。


尚美館(ショウビカン:通称=貴賓館)及び泰平閣(タイヘイカク:通称=橋殿)はいずれも大正の始めに京都御所より御下賜された建物で、当時御苑で開催されていた今日と博覧会で使用されていたものです。


尚美館



ラッキー! 舞妓さんをパチリ


紅枝垂桜



紅枝垂桜


京都の桜06


その1 祇園白川 円山公園

その2 知恩院、南禅寺、琵琶湖疎水

その3 平安神宮

その4 京都御苑


         風来坊

  目次  TOP 前ページ 次ページ