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新宿御苑・菊花壇展 その1 (H17.11.12)



第二露地花壇



第一露地花壇


新宿御苑の秋の花といえば、日本庭園を彩る皇室ゆかりの菊花壇展が有名です。

毎年11月1日から15日まで、日本庭園にて開催されます。この期間中は特別開園期間として、毎日休まず開園しています。

年に一度の晴れ舞台。菊花の艶やかな競演がおりなす、伝統美の世界です。



新宿御苑の菊花壇は、回遊式の日本庭園内に上家
(うわや)といわれる建物を設け、特色あふれる花々を独自の様式を基調に飾りつけた花壇です。

それぞれの花壇は、中央入口からはいり、順路に沿って歩いていくと、もっとも美しく鑑賞できるようにデザインされているそうです。


特別展示 江戸菊大作り



特別展示 江戸菊大作り くちなし染


特別展示
江戸菊大作り くちなし染め


元来、新宿御苑では、江戸菊を用いて大作りを製作していました。

江戸菊は江戸時代に発達した古典菊の一種で、栽培の歴史が非常に古く、大作りに向いた品種数が比較的確保されていました。



現在、新宿御苑では江戸菊ではなく、大菊を用いて大作り花壇が製作されています。

今年は、大作りに適した江戸菊の種の保存、栽培技術の伝承を図るため、栽培育成を行い、特別展示されていました。


江戸菊


懸崖作り花壇  作り始め:大正4年(1915年)


懸崖作り花壇



懸崖作り花壇


断崖作り花壇

竹と木の素材をいかしたよしず張りの上家に、30鉢の大中小の山菊懸崖作りを、野趣にとんだ古木の花台の上に配色よく並べた花壇です。


野菊が断崖の岩間から垂れ下がって咲いているという姿を模して、1本の小菊を大きな株に仕立てる技法を「断崖作り」と呼んでいます。



懸崖作りに用いる菊は小菊で、分枝性の旺盛なものを摘心によって仕立てます。

この花壇に陳列している品種は、小菊のなかでも一重咲きの山菊とよばれる品種を用いています。


懸崖作り花壇



懸崖作り花壇


懸崖作り花壇


伊勢菊、丁字菊、嵯峨菊花壇 作り始め:昭和30年(1955年)


伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊花壇



伊勢菊


伊勢菊、丁字菊、嵯峨菊花壇

木の素材をいかしたよしず張りの上家に、伊勢菊32株、丁子菊32株、嵯峨菊25株を配色よく植え込んだ花壇です。


伊勢菊は伊勢地方で発達した菊です。

花びらが平たく、咲き始めは縮れていますが、開花するにしたがって伸び、垂れ下がって満開となります。

花びらが長く垂れ下がるほど良い花とされています。



伊勢菊


伊勢菊



丁子菊は、昔、おもに関西地方で作られた菊です。

花の中心の筒状の花びらが香料の丁子の花に似ていることから、この名前がつきました。

外国では「アネモネ咲き」とよばれ人気があります。

花びらは平たいものや匙のような形のものまでいろいろあります。


丁字菊



丁字菊


丁字菊



丁字菊


丁字菊



丁字菊


丁字菊



嵯峨菊


嵯峨菊は、嵯峨天皇の御愛の菊として、京都の大覚寺に植えられたものが始まりといわれる、もっとも古い歴史をもつ古典菊です。

花びらが平たく、咲き始めは乱れ咲きに開き、次第に花びらがよじれて立ち上がり、全部立ちきって満開となります。

雅趣に富んだ菊です。



嵯峨菊


嵯峨菊



嵯峨菊


嵯峨菊


大作り花壇  作り始め:明治17年(1884年)


大作り花壇



大作り花壇

木の素材をいかした、障子屋根とよしず張りの上家に、大菊の大作り菊を陳列した花壇です。


大作り1本の株から何百というたくさんの花を咲かせるように仕上げたものです。

この作り方で一番大切なことは、多くの花を咲かせることはもちろん、個々の花においても枝や葉が均一で、花の大きさが揃いかつ開花期が同時でなければなりません。


大作り花壇
手前から嵐山、夕顔、大和錦、末の松山、裾野の月


大作り花壇
手前から大和錦(501輪)、夕顔、嵐山


飾りつけは個々の花をこんもりと、そして半円形に整然と結い立てるもので、この栽培と仕立てには高度の技術が必要とされています。

この様式は新宿御苑独自の技術であり、絢爛豪華な美しさは、新宿御苑の菊花壇の白眉といわれています。

全国各地の菊花壇展でみられる千輪作りの先駆けにもなっている菊です。

 新宿御苑菊花壇展その2へ


          風来坊



嵐山(479輪


裾野の月(457輪



夕顔(272輪)の1輪


末の松山(380輪)の一部


新宿御苑菊花壇展その2へ

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